
COROSの心拍センサーとCOROSウォッチ単体での心拍数の計測結果に違いはあるのでしょうか?この記事では心拍センサーとウォッチ単体で計測した時に、心拍数の計測結果の違いについて、実際にトレーニングで使用してみて比較検証しました。
ジョギング、ロングインターバル、ショートインターバルそれぞれで違いが如実に出ました。心拍管理に重きを置いている方はぜひ参考にしてみてください!
Coros心拍センサーとは
心拍数を検知して計測するためのデバイスです。COROSウォッチ単体でも心拍数は計測することはできますが、心拍センサーを利用することで、より正確に計測することができます。
心拍センサーの仕組み
原理としては意外とシンプルな仕組みです。ウォッチから皮膚に向かってLEDという光を照射します。その光が血管で反射してデバイスに帰ってくる光を計測することで、心拍数を算出しています。
ウォッチの裏側を見てみると、緑のライトが点滅しているのが分かると思いますが、その光がLEDの光です。
ちなみに、心拍センサーには光学式と電気式があります。心拍センサーとは違い、電気式は心臓の発する電流を計測します。そのため光学式よりも精度が高いのがメリットです。ただ、胸部に撒く必要があるというのがデメリットになります。スポーツシーンには装着がわずらわしく不向きです。
計測する部位によって精度が変わる
光学式センサーでは血管からの光の反射を利用して心拍数を計測していますが、センサーを装着する位置によっても精度が変わります。
スマートウォッチは手首に装着するものなので、手首の血管を利用して計測をしています。しかし、より精度を高めるためには上腕での計測が良いと言われています。
しかし、スマートウォッチを上腕に装着することは出来ません。そこで、今回紹介する『COROS 心拍センサー』の出番なのです。こちらを使用することで、ウォッチとは別で心拍センサーを上腕に装着することができます。これにより、正確な心拍管理が可能になります。
心拍数の活用
心拍数とは1分間に心臓が鼓動する回数のことです。こちらを計測することで、ランニングの負荷を判断することができます。一般的に、心拍数が高くなればなるほど、トレーニングとしての負荷が高くなっていきます。
ランニングのパフォーマンスの強化をしたい方は、心拍数が高い状態で走ることで強化につながります。おおよよ150~180bpm程度で走ることでパフォーマンスの向上を期待できます。
パフォーマンスの向上という目的以外にも、疲労を残さずランニングをしたいという方にも心拍数の管理は重要です。
疲労を残さずにラニングを継続したい方は、心拍数が上がりすぎないペースで走ることができれば、疲労を残さずランニングを継続することができます。おおよそ100~140bpm程度のランニングでしたら疲労が残りにくいとされています。
ウォッチ内蔵のセンサーと心拍センサーバンドの精度を比較

ウォッチ単体での心拍数と、心拍センサーで計測した心拍数のデータに違いはあるのでしょうか?実際にトレーニングで使用してみて検証していきます。
検証内容
下記デバイスを同時に着用して、トレーニングをします。
検証デバイスカロスペース2
カロスペース3+心拍センサー
心拍センサーのメリットとして、心拍数の変動が大きいシーンで精度の違いが大きくなるらしいので、トレーニング内容もいくつか用意しました。
検証トレーニング①ジョギング
②インターバル系トレーニング
③坂ダッシュ
それでは早速、それぞれのトレーニングでの計測結果を見ていきましょう。
計測結果比較①:ジョギング
ジョギング中の心拍の計測結果はこちらです。上がカロスペース2単体での計測結果で、下が心拍センサーによる計測結果です。

ほとんど差はありませんね。走行中も何度か心拍数を確認しながら走っていましたが、違いはほとんどありませんでした。
ただ、スポットで心拍数の変動に違いがありました。それは坂道です。
ジョギングペースと言っても、坂道を走ると心拍数は上がります。その坂道に差し掛かった時に瞬時に心拍数として反映されたのは『心拍センサー』の方でした。その後少し経ってから、ペース2での心拍計測にも変化があらわれていました。

やはり、細かな心拍数の変動は手首での計測では難しいようです。
計測結果比較②:インターバルトレーニング
次は、心拍数の変動が大きく出るインターバルトレーニングで計測比較してみます。今回実施したトレーニングは下記です。
2km×5本 インターバル レスト60秒
結果はこのようになりました。上がカロスペース2単体での計測結果、下が心拍センサーによる計測結果です。

トレーニング全体の平均の心拍数では大きな違いはありませんね。ただインターバルトレーニングで大事なことはレスト間の心拍変動です。時間ごとの細かな数値を見ていきましょう。
上がペース2単体での計測結果で、下が心拍センサーによる計測結果を時間ごとにみた画像です。

時間ごとの詳細な画面では、違いが顕著に現れました。ペース2単体での計測ではレストに入ったタイミングでも心拍数は一定で高い数値となっています。それに比べて、心拍センサーで計測した方では、レストに入ったタイミングとほぼ同じ時間で心拍数が落ち着き始めています。
レスト間の心拍数も大事なトレーニングではあるので、ここで大きく誤差が出てしまうのは困りますよね。
また、疾走中の心拍数に関してもしっかりと計測が出来ているのは、心拍センサーなのかなと思います。
カロスペース2単体での計測結果では、3本目の疾走中の心拍数に乱れが見られます。走る強度は変わっていないのに、心拍数は低く出てしまっていました。
では最後のトレーニング比較、坂ダッシュでの計測結果の違いを見ていきましょう。
計測結果比較③:坂ダッシュ
坂ダッシュトレーニングの内容は、100mの坂を利用して登りを駆け上がり、下りは歩いて戻るトレーニングです。これを13回繰り返しました。
完全休息では1分~2分ほどウォークやその場待機で心拍数を落ち着かせます。1本1本100%の力で駆け上がる必要があるため、完全休息をいれています。この休息の目安として心拍数を利用しています。
心拍数が平常に近くなった時点で休息完了です。つまり、心拍数の管理は非常に重要になります。
そんな大事なトレーニングで計測の精度が低いとトレーニングに支障が出ますよね。実際にはどのくらい心拍数の計測結果に違いがあるのか見ていきましょう。
上がペース2での計測結果で、下がセンサーバンドを利用した計測結果です。一目瞭然ですね。

本来100mダッシュ後には完全休息のために時間を空けているのですが、ペース2単体での計測では、心拍数値に大きな山が現れていません。また最初の数本は心拍数の上昇が反映されていません。
逆に、心拍センサーでの計測では、しっかりと心拍数値に山が現れています。また、最初の1本目から心拍数の上昇が反映されており、正確に数値を計測できているのがわかります。
実際のトレーニング中の体感としても、休息できていると思っても、ペース2単体での数値は結構高い数値になっていました。
検証結果まとめ

検証した結果、インターバルトレーニングのような心拍数の細かな変動が起きるシーンでは心拍センサーでないと狂いやすいという結果となりました。
ジョギングなど心拍数が大きく変動しない場合は、ウォッチ単体でも心拍センサーでも計測結果に大きな違いはありませんでした。
心拍センサーは必要なのか?
では、心拍センサーは必要なのでしょうか?これまでの計測の結果から、必要な方とそうでない方が明確に分かれましたのでそれぞれ紹介します。
心拍センサーが必要な方
パフォーマンスアップのトレーニングとしてランニングをされる方にとっては必要なアイテムです。
パフォーマンスアップとしてランニングをする場合、確実に行うのがインターバルトレーニングです。トレーニングの負荷は心拍数で決まるので、心拍管理は必須ですよね。
心拍数を正確に計測してくれる心拍センサーは必要なアイテムとなります。
心拍センサーが不要な方
体型維持や健康を目的にしたエクササイズとしてのランニングをされる方は、なくても良いのかなと思います。
検証結果から分かる通り、心拍数の変動の少ないジョギングなどでは、ウォッチ単体での計測と心拍センサーでの計測での差はほとんどありませんでした。
インターバルトレーニングを必要としない、エクササイズ目的のランナーにっては不要なアイテムかなと思います。
心拍数管理で的確なトレーニングを
トレーニングは量と質で決まります。その質の指標としてあるのが心拍数です。
心拍数を正確に管理することで、パフォーマンスアップのために最適な負荷でトレーニングを行うことができます。
また心拍数の管理は、パフォーマンスアップだけでなくオーバートレーニングを防ぐことも期待できます。
マラソンのパフォーマンスアップとしてランニングを取り入れている方にとっては、必需品のギアになっています。本格的にランニングを始めたいってかたはぜひお試しください!
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COROS センサーバンド 基本情報
重量 |
19g |
バンド材質 |
ポリエステル、ナイロン、スパンデックス |
重量 |
49g |
腕周り |
180 ~ 320mm |
対応デバイス |
Bluetooth対応機器 Garmin ForeRunner165も接続可能 |
バッテリー |
38時間(連続稼働) 80日間(待機時間) |
充電時間の目安 |
2時間未満 |
充電ケーブル |
USB Type-A |
価格 |
10,890円(税込) |
COROS 心拍センサーの装着感

長さは簡単に調整ができるので、締め付け具合は幅ひろく調整可能です。ただし緩すぎるとセンサー感知に不備が出る可能性もありますので、適度に締めつけるのが良いかと思います。
装着感としては最初は締め付けが気になりましたが、慣れれば全く気になりません。走行時に心拍センサーが気になってしまうということもありませんね。むしろ装着しているのを忘れるくらいです。
ただし、毎日のジョギングで毎回装着するのは億劫に感じるかもしれません。特に秋冬はロングスリーブのウェアのため一旦腕を出してから心拍センサーを装着することとなります。これが煩わしく感じてしまいますね
そのため、私は毎日のジョギングでは心拍センサーは装着していません。比較検証の結果でも分かる通り通常のジョギングでは、ウォッチ単体での心拍数計測でも十分な精度でしたので、毎日のジョギングではつけていません。
まとめ
ウォッチ単体でもかなり正確に心拍数を計測できていると思っていましたが、実際に比較してみると精度には大きな差がありまたね。これはびっくりな結果でした。
トレーニング負荷を調整するために重要な要素『心拍数』。この数値を管理することでランニングの疲労を軽減したり、パフォーマンスアップに繋げることができます。
そんな心拍数をしっかりと管理するためには必須なアイテムとなっていました。
COROS 心拍センサーの購入を検討されている方にとって、今回の検証結果が参考になりましたら幸いです。